はじめに
2023年4月からサポートエンジニアとして働いています.修士卒で新卒入社した社会人1年目です.先日,博士後期課程の入試を受験し合格しました.2024年4月から社会人学生として博士後期課程へ入学します.
分野はコンピュータサイエンス(特にクラウドコンピューティング,ログマネジメント)です.
学部から修士までの間で以下の業績がありました.
- 査読つき国際会議(英文) 2編
- 査読つき論文誌(和文) 1編
- 査読なし研究報告(和文) 2編
主な動機
主な動機は2つあります.それぞれを以降で述べます.
(1) 博士前期(修士)でやり残したことがある.
博士前期で研究活動に取り組み,次第に自分の未熟さに気づくようになりました.関連研究の調査を通じて最先端(state-of-the-art)を知るほど,自分の研究内容がいかに不足しているか次第にわかるようになりました.独創性のある斬新(novel)な研究を目指したいと思いつつ,そのためのスキルが不足していることにもどかしさを感じていました.博士前期課程の2年間では不足を埋めるための時間が圧倒的に足らないことに気づきました.博士前期課程でやり残した研究内容の不足を埋めて,最先端の研究に太刀打ちできるクオリティの研究をしたいという思いから進学しようと決断しました.
(2) 世界的にみれば専門性を高めるうえで博士号は珍しいことではない.
博士前期を修了する直前の3月に国際会議に現地参加し,海外の博士課程の学生が高いモチベーションで研究に取り組んでいることを知りました.彼らの中には,研究者ではなくソフトウェアエンジニアを目指している人もいました.海外の学生と話す機会を通じて,博士号は研究者だけに必要なものではなく,それ以外の仕事をする人にとっても価値のあるものだと気づきました.
その他の理由
指導教員から勧められた.
学部〜博士前期の指導教員から博士後期を博士前期の修了直前にすすめられました.このことがきっかで進学を考えるようになりました.指導教員は,グローバル企業のインドやアメリカにある拠点で仕事をした経験があり,その勧めに説得力がありました.
周囲に博士課程へ進学した方がいた.
会社の同期や一緒にイベントを運営しているメンバー,Twitterで見かけるエンジニアの方々,インターンやアルバイトでお世話になった方々に博士号を取得されている方がいました.そのため,進学することが決してめずらしいことではないという考え方ができました.
FAQ
博士前期(修士)から博士後期へ進学しなかった理由は?
修士1年の終わり頃でその決断ができずにいました.就職活動も修士1年の2月に終えたので,そのまま就職しました.国際会議でもっと早く刺激を受けていれば,そのまま進学していた気がします.
仕事との両立はどうするのか?
しばらく仕事を続けながら研究に取り組む予定です.会社からは研究に対して制限/支援は無さそうなので,業務外の時間に個人として取り組む予定です.進学するにあたりグローバルの法務部門へ利益相反がないかは確認をとりました.
学費はどうするのか?
幸いなことにも会社の給与で学費が捻出できているため,いまのところ金銭面での問題はなさそうです.仕事をやめた場合は奨学金を借りるかもしれません.
進学先はどう決めたか?
学部と博士前期(修士)に在籍していた研究室にしました.当時の指導教員の在任期間が2年しかないため,別の先生に指導教員になっていただきました.
おわりに
博士前期に比べて博士後期は困難が数多くあることが知られています.辛くモチベーションが下がったときに,進学を決意したときの気持ちを思い出すためにもこの記事を書いています.また,博士後期を目指そうと思うどなたかの役に立てば幸いだと思っています.
付録
博士後期課程への進学の参考になったリンクを貼っておきます.
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